花子太郎の頭の中

人生を楽しくするために、考えたことの記録

経営とは宗教である。その上で自分は何をしたいのか

経営の真髄とは何か

経営とは宗教である

会社員とは宗教である

そして、この宗教要素を骨の髄まで染み渡らせることができる会社は成功するのであって、これは経営において限りなく重要な要素だ

 

経営コンサルとは下請けである

突然だが、わたしは経営コンサルとして今働いている

経営コンサルと言えど、 その仕事の実態は、当然であるが下請け業務だ

給料が高く、会社の戦略の意思決定に関わる、重要な重要な下請け業務である

そして、その下請け業務の中身はパワーポイント作成だ

会社がある意思決定をするにあたり、それが正しいことの説得力を限りなく高めるために、それがいかに素晴らしいことかを語るために材料を集め、サポートをしてあげるのだ

 

コンサルが下請けである第1の理由は、お客様に頭が上がらないからだ

これは至極当然のことであるが、とくかくお金をもらうお客様にはプライドも正論もへったくれもなく、ぺこぺこするのが大半なのがコンサルの実態だ 

ただし、顧問形態の関わり方をするコンサルは例外となる

 

第2の理由は、情報の非対称性の解消だ。MBAのような経営理論が真新しかった時代は、経営理論を「知っているかどうか」が付加価値の源泉であり、よってコンサルはその理論やフレームワークを示せさえすればよかった。

対して、ポストコンサルが多くの大企業に流出し、MBAホルダーが増え、経営理論の情報へのアクセスがネットや書籍を通じて異常に簡単である昨今、もはやクライアントとコンサルの情報格差はほぼ存在しない。

結果として、そしてコンサルへの依頼方法も、「このままではうちの事業はまずいんだけど、何をどうすればいいですか」というより大上段の問題意識を元に解決したいとう姿勢から、「既存ビジネスでの新興国進出を検討していて、うちのビジネスとの親和性から賃金の安さと政治拠点とのアクセスが重要なクライテリアなのだけど、どの国・都市がより有望か調べてくれないか」といったより「下流」の仕事へのシフトしてきている。

 

第3の理由は、市場全体として発注主のポジションが下がっているからだ。昔は社長案件・役員案件で会社経営の方向性を模索していたのに対して、今は部長・課長レベルから発注を受け、よりスケールの小さい規模の意思決定を支えるためのパワーポイントを日々拵えている
(これは社長案件自体が減っているというよりは、市場が拡大しており、それは下のポジションからの発注によるものだ、という表現の方が正確かもしれない)

中には、クライアントの意思決定を日々整理し紙に落とすだけのような仕事もある

 

アウトソーシング化」は、特集の中では「高級人材派遣化」「高級文房具」と言われていたものです。もともと戦略コンサルはいわば「経営企画機能のアウトソース」とも言えますが、ここでのアウトソースは、より現場に近いミドルを相手にした「実務遂行の代行」です。

 

そんな訳で、世間が想像するような社長の参謀としてかっこよく振舞っているコンサルタントは、ものすごく少なく、大半が下請け業務だ

平均勤務年数が3年言われるコンサル業界が、その勤務年数を伸ばすことなく拡大し続けているということは、つまりぺーぺーでも地頭さえ良ければワークする仕事をしている訳であって、そこから考えてもまあ当然のことでもある

 

プライドという宗教が経営コンサルの市場優位性を生み出す

であるにも関わらず、コンサルタントはクライアントに比べて高給でありなおかつ市場では比較的かっこいい仕事として捉えられている

なぜか

人は夢を見たくて、自分の都合のいい事実だけを飲み込み、あやまった示唆を導き出す生き物だからだ

もっというと

プライドを持つことが人のモチベーションに大きな影響を与えるのであり、このモチベーションが高いパフォーマンスを生み、一部に鶏卵の議論は含まれつつも、結果として高給になっているとも言える

仕事へのやり甲斐、プライドといった心理的要素が生産性向上に大きく寄与していることはもう100年も前にホーソン研究により明らかにされたことであるが、この事実が経営コンサルを支えているのだ

 

 

宗教が従業員を幸せにし、業績を上げ、地球をハッピーにする

「自分はすごいという思い込み=宗教」と定義し、それこそがコンサル業界のKSFだと言っているわけであるが、これは決して悪いことではない

むしろいいことだ

コンサルタントは、「自分はすごいことをやっている」と思い込み、高い自尊心と高い満足度とともに、一生懸命働き、ビジネスマン・ビジネスウーマンとしての能力を着実に上げていく

クライアントは、そこそこ優秀な人たちが、とにかく一生懸命働いてくれるからアウトプットに満足する

コンサル会社の経営者は、従業員に「本当にうちの会社は君たちに支えられているよ、ありがとう」と伝えるだけで、そこまで高い給料を払わずとも満足して必死に働いてもらえるので、結果として会社が儲かる

 

 

 

 

 

そうか、すべては宗教だったのか